これから飲食業界で働こうと考えている人は、将来性が気になることでしょう。飲食業界全体でいえば、飲食業は世の中の景気や状況の影響を受けやすい業界といえます。
だからこそ、「飲食業界の今」を正しく理解した上で、将来性のある飲食店を選択することが重要です。ここでは、飲食業界の現状と成長可能性や安定性を判断する4つの基準を解説します。
「飲食業界はコロナ禍で大打撃を受けた」というイメージが定着していますが、データを見ると、すでに業界は「回復」から「再成長」のフェーズに入っています。
一般社団法人日本フードサービス協会が公表している「外食産業市場動向調査」によると、2023年(令和5年)の年間売上高は前年比114.1%となり、コロナ禍前の2019年比でも107.7%と、市場規模は完全にコロナ前を超えました。
現在の飲食業界は「全体的に沈んでいる」のではなく、「社会の変化に適応した企業が売上を伸ばし、市場全体を押し上げている」というのが正確な現状です。単なる人手不足などのマイナス面だけでなく、この市場の堅調な回復力こそが、将来性を考える上での重要な事実と言えそうです。
市場規模の回復に加え、これからの飲食業界には長期的な成長を後押しする3つの大きな「追い風」が吹いています。
大きな将来性の要素は、訪日外国人観光客(インバウンド)の増加です。 日本政府観光局(JNTO)のデータによると、2024年の訪日外客数は3,000万人を突破し、過去最高を記録する月も出ています。
観光庁の「訪日外国人消費動向調査」では、訪日外国人訪日前の期待や消費項目に「日本食を食べること」が上位に入っています。
円安の影響もあり、外国人観光客にとって日本の外食は「安くて高品質」なコンテンツです。観光地や都心部だけでなく、地方の飲食店にとっても、世界中が顧客になり得る巨大なマーケットが広がっています。
「人手不足」という課題に対し、テクノロジーによる解決が進みつつあります。
これらのDX(デジタルトランスフォーメーション)導入により、従業員は「接客」や「調理」といった付加価値の高い業務に集中できるようになりました。
結果として、一人当たりの生産性が向上し、企業によっては、給与アップや休日の増加といった待遇改善に還元されるケースが生まれ始めています。
コロナ禍を教訓に、多くの飲食企業が「店内飲食(イートイン)」一本からの脱却をしつつあります。
店舗という箱に縛られず、「ブランド(味)」を多角的に販売するビジネスモデルへと変化しています。つまり、感染症や天候などの外部要因に左右されにくい、経営基盤を持つ企業が増加しているのです。
その飲食店に将来性があるかどうかは、4つの基準でみていくと見極めることができるようになります。基準に照らし合わせて、よくチェックしてみましょう。
飲食店としてのテーマやメインの商品、ターゲット層などが明確になっているかどうかをチェックしましょう。また同様の他店と差別化を図れる独自のメニューやサービスがあるかについても着目してみてください。
明確なコンセプトがあれば、状況が変化したときでもブレずに原点に戻ることができ、生き残れる強さがあります。
お店のコンセプトは競争の激しい飲食業界という市場で、顧客の心をつかむための重要な要素となります。トレンドに左右されにくく、長期的に支持される店舗になりやすいでしょう。
飲食店の商品力は集客において非常に重要なことは間違いありません。ただしトレンドも顧客のニーズも常に変化しているため、柔軟な商品企画力や開発力も必要となってきます。
変わらない味、変わらない品質を保ちながら、メニューのアップデートも欠かさない姿勢があるかどうかがポイントです。
競争の激しい市場だからこそ、商品力は生き残れるかどうかの境界線になるでしょう。
また飲食店で働く人も、その店舗の商品力を高めます。店舗の雰囲気は、料理や飲み物がおいしいかだけでなく、従業員の接客の良し悪しでも判断されるため、スタッフ教育がしっかりなされているかも重要です。
商品が販売されたデータを記録して管理する「POSシステム」や「予約管理システム」など、デジタル化された業務プロセスが導入されているかも将来性を見極めるポイントです。
また人員配置やオペレーションが効率的で、従業員に無理のない運営がされているかもチェックしましょう。
客として訪れてもわかりにくい部分ではありますが、企業のホームページなどを見ればある程度は調べることができます。
働き方改革が進む中で、人手不足や低賃金の課題を抱えている現状を打破していくには、積極的に業務効率を図る必要があります。コスト削減や従業員の働きやすさにも直結し、店舗の収益性を高めることができます。
効率化が進んでいる店舗は、労働環境も整備されている可能性が高いといえるでしょう。
飲食店は離職率が高いといわれていますが、社員を大切にする社風であれば定着率も良くなります。従業員が働きやすい環境を整え、長期的に働きたいと思えるようなチームの雰囲気があれば、将来性が高いといえるでしょう。
福利厚生や労働環境、休暇取得率など、企業として基本的な部分が整っており、社員が楽しんで働いている会社は、労働力を安定的に確保できます。
人材がそろっていれば、店舗運営はもちろん商品やサービスも高い品質を保ちながらお客様に提供でき、結果的に店舗が繁盛する良い循環に入っていけます。
飲食業界は、景気や社会状況の影響を受けやすい一面があります。だからこそ、「どんな飲食店か」を見極めることが、将来の安定ややりがいに大きく関わってきます。 将来性のある飲食店を選ぶには、明確なコンセプト、商品力、効率的な運営、社員を大切にする社風といった基準が重要。
これらを満たす店舗ならば、顧客からも支持されてリピーターも多く、働く人にとっても良い環境で成長できるフィールドといえるでしょう。表面のイメージだけで判断せず、今回ご紹介したような基準を参考にしながら、自分にとって“安心して、前向きに働ける職場”を見つけてください。
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